どんな職業か
我が国では、納税者が自己の責任において適正な申告と納税を行う「申告納税制度」を採用している。この制度のもとで税務事務官は、主に納税者が提出した申告書の審査、確定した税金の管理・徴収の事務、税務調査などを行っている。また、納税者が適正な申告と納税を行えるように税に関する周知・相談活動も行なっている。 税務事務官は、個人・法人の納税者から提出された申告書について内容を審査し、その結果、調査が必要であると認められれば実地調査を行う。経済の国際化や複雑化に伴って国際取引に対する税務調査も重要となってきており、担当職員が海外に出張することもある。 確定した税金については、期限までに納められているかどうかを確認したり、納め過ぎの税金を還付したりする事務を行う。 確定した税金が期限までに納付されない場合には督促を行う。それでも納付されないときには、納税者の財産を調査の上、差押え・公売等の滞納整理手続をとる。 大口・悪質な脱税者に対しては、捜索・差押え等の強制調査を行う。この強制調査は、裁判所の許可を得て行うものであり、最終的には刑事罰を求めて脱税者を検察に告発する。 税に関する周知活動では、税の意義・役割について国民一般の理解を深めるため、様々な媒体を使った広報活動に取り組んでいる。また、納税者の利便性の向上を図る観点から国税電子申告・納税システム(いわゆるe-Tax)の利用促進のための広報等にも力を入れている。
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 5.5 | 36 / 498 | 上位7% |
| 説得 | 4.8 | 15 / 498 | 上位3% |
| 説明力 | 4.8 | 94 / 498 | 上位19% |
| 読解力 | 4.7 | 87 / 498 | 上位17% |
| 交渉 | 4.6 | 21 / 498 | 上位4% |
| 指導 | 4.5 | 66 / 498 | 上位13% |
| 文章力 | 4.4 | 117 / 498 | 上位23% |
| 他者との調整 | 4 | 137 / 498 | 上位28% |
| 他者の反応の理解 | 4.0 | 122 / 498 | 上位24% |
| 論理と推論(批判的思考) | 3.9 | 98 / 498 | 上位20% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 事務処理 | 3.0 | 37 / 508 | 上位7% |
| 経済学・会計学 | 2.7 | 15 / 508 | 上位3% |
| 法律学、政治学 | 2.7 | 30 / 508 | 上位6% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.9 | 133 / 508 | 上位26% |
| 人事労務管理 | 1.4 | 130 / 508 | 上位26% |
| 顧客サービス・対人サービス | 1.4 | 369 / 508 | 上位73% |
| 外国語の語彙・文法 | 1.3 | 159 / 508 | 上位31% |
| ビジネスと経営 | 1.3 | 250 / 508 | 上位49% |
| 心理学 | 1.2 | 225 / 508 | 上位44% |
| 公衆安全・危機管理 | 1.2 | 234 / 508 | 上位46% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 記憶力 | 3.6 | 6 / 426 | 上位1% |
| 発話表現 | 3.5 | 49 / 426 | 上位12% |
| 記述表現 | 3.5 | 50 / 426 | 上位12% |
| 帰納的推論 | 3.5 | 20 / 426 | 上位5% |
| トラブルの察知 | 3.4 | 154 / 426 | 上位36% |
| 法則に基づいた情報の並べ替え | 3.4 | 9 / 426 | 上位2% |
| 発話理解 | 3.4 | 75 / 426 | 上位18% |
| 記述理解 | 3.4 | 74 / 426 | 上位17% |
| 演繹的推論 | 3.3 | 35 / 426 | 上位8% |
| 演算力 | 3.3 | 4 / 426 | 上位1% |
仕事内容
- 納税者による適正な申告と納税が行われるように税の周知、相談、税務調査、管理、徴収などを行う。
- 法令に基づいて適正で公平な徴税を行う。
- 納税者から提出された申告書の内容を審査する。
- 申告内容に調査が必要と認められた場合、実地調査をする。
- 税金が定められた期限までに納付されているかどうかをチェックする。
- 納めすぎの税金の申告を審査し、納税者に返還する。
- 税金が期限までに納付されていない場合に納付を督促する。
- 督促しても納付されない場合に、納税者の財産を調査し、差し押さえる。
- 差し押さえた財産を公売にかける。
- 相続税などを計算する際の評価基準を作成する。
- 税金に対する理解を広めるため、広報公聴活動を行う。
- 納税者が税金を正しく計算できるように情報提供を行い、問い合わせに応じる。
- 脱税調査に役立てるため、さまざまな業種や地域の景況について情報収集をする。
- 職員の業務を調整する。
なるには
税務事務官は、一般的には、主として高校卒業者を対象とする税務職員採用試験、大学卒業者を対象とする国税専門官採用試験の合格者の中から採用される。 税務職員採用試験によって採用された事務官は、実際の仕事に就く前に全員が税務大学校に普通科生として入校し、約1年間所定の研修を受ける。普通科卒業後は税務署に配属され、3年間の実務を経験した後に、中等科として3か月間、配属された部門に則したカリキュラムで調査・徴収事務に必要な知識、技能を習得する。更に税務署勤務後もステップアップのために選抜試験を合格した者を対象に「専攻科」、「国際科」、「本科」の3つの研修が用意されている。また、本科を卒業した事務官の中から選考者を対象に更に専門的理論を学ぶ「研究科」も用意されている。 国税専門官採用試験によって採用された事務官は、全員税務大学校で約3か月の専門官基礎研修を受講した後に、採用された国税局管内の税務署に配置される。そこで1年間の実務研修を経た後、約1か月間専攻税法研修を受講し、再び2年間実務経験を積んだ後、約7か月間の専科研修を受講する。その上で、試験を受けて国際科又は専攻科にてそれぞれ4~5か月間の専門分野を学ぶ。あるいは研究員として選考された場合には1年3か月間、税務に関する高度な専門的理論を習得する。 10~15年以上勤めると税理士試験の一部科目免除となり、23年以上勤務し、指定研修を修了したものは試験を受けずに税理士の資格取得ができる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.7 |
| 高卒 | 0.5 |
| 専門学校卒 | 0.1 |
| わからない | 0.1 |
| 短大卒 | 0.0 |
| 高卒未満 | 0 |
給料
賃金構造基本統計調査では「公認会計士,税理士」として集計されています(2023年・全国)。この区分には1の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 506.4千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,390.5千円 |
| 平均年齢 | 39.4歳 |
| 平均勤続年数 | 8.3年 |
| 労働者数 | 2,113人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤300.4千円
- ≤389.9千円
- ≤462.5千円
- ≤546.7千円
- ≤946.7千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「事務従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率0.7%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人73.4千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比19.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比17.6%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
事務従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 事務61.6%
- 販売12.3%
- 専門的・技術的職業9.2%
- サービス職業8.8%
- 管理的職業3.5%
- 運搬・清掃・包装等1.9%
- その他2.6%
この分類に入った人のうち、38.4%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
中央の国税庁、主な都市にある国税局や全国にある税務署に勤務する。身分は国家公務員である。 財務省の在職者に占める女性の割合は26.6%(2025年7月時点*)となっており、年々その割合は増えている。 給与は、税務事務官の仕事が高度な専門知識を必要とし、様々な困難を伴うため、一般の行政事務員よりやや高くなっている。 国税庁では国税の申告や納税などの手続をインターネット等で行う国税電子申告・納税システム(e-Tax)の利用促進をしているほか、ICT・AIやマイナポータルを活用し、納税者の利便性の向上を図るとともに、課税・徴収事務を効率化・高度化して、事務運営の最適化を進めている。 また、国際化に伴って、多国間取引の増大や対外投資による海外進出の増加といった形で日本企業の活動が多様化している。こうした動きに対応するため、国税庁では諸外国の税務当局との交渉や海外取引調査、国税局では海外取引調査及び移転価格調査の担当組織を設け、税務署には「国際税務専門官」を設置するなどの対応を行っている。 *財務省 財務省における女性の活躍に関する情報の公表
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 公認会計士近さ 0.827
- アクチュアリー近さ 0.720
- 内部監査人近さ 0.698
- 人事課長近さ 0.674
- IR広報担当近さ 0.663
- 人事事務近さ 0.652
- 学校事務(私立大学)近さ 0.647
- 地方公務員(行政事務)近さ 0.641
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)